リコリスと日々
日記用ブログです。ネタバレなどは発売日から解禁中。
すっかり春ですね
- 2012/03/30 (Fri)
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温かくなってきましたね。
今年は冬(というか寒い日)が長かった気がする。
近況としてはそろそろエクシリアがミラ編手つけられるかなという感じかな……。
あとは時々ジャンプ読んだりしながら基本忙しく暮らしております。
あとかずみマギカが暗い展開すぎて辛い。
そういえばもうすぐFate/Zero二期ですね。
私の好きだったり興味あったりするキャラはもう既に登場していないか早々に退場かなので今から辛いどころか一周回って吹っ切れた気がします。
舞弥さんが好きです。
退場と言えばジャンプ本誌でもユニ様チームが初っぱなから退場したね……世の中のストーリーテラーは私に厳しいらしい。
最後に、携帯から昔書いた小ネタが出てきたので更新代わりに載せておきます。
ザク桔で色々自由なパラレルです。ユニ様もちらっと。ちょっぴりγユニかもしれない。
×××
耳元で聞こえる雑音に意識がかき乱されて、現状なんてわからない。
だから、鈍い衝撃が身体に走った時に、初めて自分が落ちたのだと理解した。
落下が止まったことを認識すると、そっと腕の力を抜く。身を縮こまらせていた少女がそっと抜け出すのがわかった。
全身が痛い。指一本すら満足に動かない。
元々手負いだったのに、今の落下がとどめだったか。
腕の中から這い出した少女……ユニ様は、苦しげな顔で私を見つめていた。
本来ならユニ様を連れて行かねばならない。けれどこの傷ではもう無理だ。
完敗の二文字が頭をよぎる。ああ、白蘭様、お許しください。
「……良い騎士を、持ちましたね」
電光のγ。彼さえいなければ、ここまで深手を負う事もなく、こんな斜面を落ちたくらいでは決定打にすらならなかっただろうに。
足場の脆さすら失念してしまうほどに私を追い込むとは、流石と言えよう。
文字通り完敗だ。
そして、そんなにも命がけで守ってくれる騎士がいるなんて、少しだけ羨ましい。
誰かに守られたい、愛されたい、そんな羨望が自分にあったと、初めて気がついた。
ユニ様は瑠璃色の目を少し大きくして、微笑みと共に言った。
「貴方の騎士も、立派です」
そして踵を返して駆けて行った。
(私の騎士……?)
姫と呼ばれたユニ様と違い、私には快く傅いてくれる立派な部下なんていやしない。
(ああ、だけど、)
ここでいう騎士とは、別にそれだけではない。
命を懸けて、愛して、この身の無事を祈る者。この身の守護を望む者。
そんな人間なら、すぐ側にいたではないか。
「……桔梗!」
落下する直前に彼方に聞いた、名を呼ぶ声。
満足に動かない身体をどうにか仰向けにすれば、水色の空を焼く紅の炎が目に入った。
宙をけって、ザクロが慌ててこちらへ降りてくる。
「すみません……ユニ様は、あちらへ……」
「っバーロー!もういい……帰るぞ」
「……白蘭様の、命令をまだ……」
「もういいっつってんだろ。帰るぞ――誰も、いなくならないうちに」
ふわりと身体が持ち上がる。目立つ外傷以外にもダメージがあったようで、身体の内側にも鈍い痛みを感じた。
「帰ったら、また作戦の練り直しですね」
そう言った私の声は少し楽しそうな響きを持っていて、自分でも驚いた。
ああ、私は喜んでいる?
任務を失敗し、あの方の命令を守れなかったのに?
どうして?
それは問うまでもないことだ。
(貴方が私を、呼んでくれたから)
落ちてゆくあの瞬間に、貴方は私を呼んでくれた。
案ずるように呼んでくれた。
そして貴方はここへ来てくれた。
私を探しに、来てくれた。
それがどうしてだろう、たまらなく嬉しかったのだ。
「ありがとう、ございます」
「あ? 当然だろ――お前を、助けるのなんて」
だってお前は、仲間で、そして――
風の音にちぎれ飛んだ最後の言葉が何であったのか。きちんとわかっているけれど、今は何も言わないでおこう。
私を抱きとめる腕の温度と、耳元をすり抜ける風、それだけを感じて意識を溶かしていたい。
のしかかる疲労と倦怠感が睡魔を連れてきたせいで、瞼が段々重くなる。
目が覚めたあとのことは、その時に考えよう。
私にしては楽観的すぎる思考に包まれながら、ただ幸せだなとそれだけを思って目を閉じた。
今年は冬(というか寒い日)が長かった気がする。
近況としてはそろそろエクシリアがミラ編手つけられるかなという感じかな……。
あとは時々ジャンプ読んだりしながら基本忙しく暮らしております。
あとかずみマギカが暗い展開すぎて辛い。
そういえばもうすぐFate/Zero二期ですね。
私の好きだったり興味あったりするキャラはもう既に登場していないか早々に退場かなので今から辛いどころか一周回って吹っ切れた気がします。
舞弥さんが好きです。
退場と言えばジャンプ本誌でもユニ様チームが初っぱなから退場したね……世の中のストーリーテラーは私に厳しいらしい。
最後に、携帯から昔書いた小ネタが出てきたので更新代わりに載せておきます。
ザク桔で色々自由なパラレルです。ユニ様もちらっと。ちょっぴりγユニかもしれない。
×××
耳元で聞こえる雑音に意識がかき乱されて、現状なんてわからない。
だから、鈍い衝撃が身体に走った時に、初めて自分が落ちたのだと理解した。
落下が止まったことを認識すると、そっと腕の力を抜く。身を縮こまらせていた少女がそっと抜け出すのがわかった。
全身が痛い。指一本すら満足に動かない。
元々手負いだったのに、今の落下がとどめだったか。
腕の中から這い出した少女……ユニ様は、苦しげな顔で私を見つめていた。
本来ならユニ様を連れて行かねばならない。けれどこの傷ではもう無理だ。
完敗の二文字が頭をよぎる。ああ、白蘭様、お許しください。
「……良い騎士を、持ちましたね」
電光のγ。彼さえいなければ、ここまで深手を負う事もなく、こんな斜面を落ちたくらいでは決定打にすらならなかっただろうに。
足場の脆さすら失念してしまうほどに私を追い込むとは、流石と言えよう。
文字通り完敗だ。
そして、そんなにも命がけで守ってくれる騎士がいるなんて、少しだけ羨ましい。
誰かに守られたい、愛されたい、そんな羨望が自分にあったと、初めて気がついた。
ユニ様は瑠璃色の目を少し大きくして、微笑みと共に言った。
「貴方の騎士も、立派です」
そして踵を返して駆けて行った。
(私の騎士……?)
姫と呼ばれたユニ様と違い、私には快く傅いてくれる立派な部下なんていやしない。
(ああ、だけど、)
ここでいう騎士とは、別にそれだけではない。
命を懸けて、愛して、この身の無事を祈る者。この身の守護を望む者。
そんな人間なら、すぐ側にいたではないか。
「……桔梗!」
落下する直前に彼方に聞いた、名を呼ぶ声。
満足に動かない身体をどうにか仰向けにすれば、水色の空を焼く紅の炎が目に入った。
宙をけって、ザクロが慌ててこちらへ降りてくる。
「すみません……ユニ様は、あちらへ……」
「っバーロー!もういい……帰るぞ」
「……白蘭様の、命令をまだ……」
「もういいっつってんだろ。帰るぞ――誰も、いなくならないうちに」
ふわりと身体が持ち上がる。目立つ外傷以外にもダメージがあったようで、身体の内側にも鈍い痛みを感じた。
「帰ったら、また作戦の練り直しですね」
そう言った私の声は少し楽しそうな響きを持っていて、自分でも驚いた。
ああ、私は喜んでいる?
任務を失敗し、あの方の命令を守れなかったのに?
どうして?
それは問うまでもないことだ。
(貴方が私を、呼んでくれたから)
落ちてゆくあの瞬間に、貴方は私を呼んでくれた。
案ずるように呼んでくれた。
そして貴方はここへ来てくれた。
私を探しに、来てくれた。
それがどうしてだろう、たまらなく嬉しかったのだ。
「ありがとう、ございます」
「あ? 当然だろ――お前を、助けるのなんて」
だってお前は、仲間で、そして――
風の音にちぎれ飛んだ最後の言葉が何であったのか。きちんとわかっているけれど、今は何も言わないでおこう。
私を抱きとめる腕の温度と、耳元をすり抜ける風、それだけを感じて意識を溶かしていたい。
のしかかる疲労と倦怠感が睡魔を連れてきたせいで、瞼が段々重くなる。
目が覚めたあとのことは、その時に考えよう。
私にしては楽観的すぎる思考に包まれながら、ただ幸せだなとそれだけを思って目を閉じた。
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